斑尾高原の自然について

気象

斑尾高原の気象の特色は雪の多さと明確な四季です。例年3m以上の積雪があり、真冬の最低気温はマイナス10℃前後になります。また標高1,000mの高原は夏でも涼しく、8月の平均気温は20℃前後ととても過ごしやすい気候です。雪消えは例年5月半ば、この頃になれば、新緑の中、斑尾山や袴岳のトレッキングも楽しめるようになります。本格的な梅雨入りは6月下旬からで、特に梅雨明け直前の7月中旬は雨の強く降る日も多いので注意が必要です。夏の天気は比較的安定していますが、9月になると秋雨前線が停滞し、雨がちの日が多くなります。紅葉の見頃は10月中旬から下旬ですが、10月末以降はいつ初雪が降ってもおかしくありません。11月下旬から12月始めになると本格的な雪となり、トレッキングシーズンは終わりを告げ、トレイルはスノーシューに最適なフィールドへと変身します。

気温、日の出・日の入

気温、日の出・日の入

※斑尾高原の気温は2003~2008年度、東京の気温は1981~2010年の平均。日の出・日の入時刻は毎月1日のもの。

特徴的な植物

「落葉広葉樹林帯」に属する斑尾高原では、ブナ、ミズナラをはじめとする落葉広葉樹を中心とした森に、戦前・戦後を通じて植林されたカラマツの林が混在しています。これらに続いて多いのが、シラカバ、ウダイカンバ、ダケカンバ、ヤエガワカンバ(希望湖畔にある大木が飯山市天然記念物に指定)のカンバ類、イタヤカエデ、ハウチワカエデ、ウリハダカエデなどのカエデ類、トチノキ、ホオノキ、リョウブなどが挙げられます。またブナ林などの林床には、ユキツバキやヒメアオキ、エゾユズリハといった常緑低木を見ることができます。
毎年大量に降る雪がこの地域の植生を特徴づけており、沼の原湿原や袴湿原、希望湖畔の湿地などの湿原を育て、ミズバショウやリュウキンカの大群落もその雪解け水によって育まれています。

珍しい生物

標高1,000mの高原と国内でも有数の豪雪がもたらす環境の斑尾高原には、全国的にも珍しい両生類であるモリアオガエルやクロサンショウウオが生息しています。水辺の樹上に産卵するという珍しい習性を持つモリアオガエル。雪解けの5月から6月頃、ひょっとしたらその産卵の光景を目の当たりにできるかもしれません。
また斑尾高原はギフチョウとヒメギフチョウが混生している珍しい場所です。日本ではギフチョウとヒメギフチョウの分布が明確に分かれていることが知られており、この2種の分布境界線をリュードルフィアライン(ギフチョウ線)と呼びます(リュードルフィアとはギフチョウの属名)。斑尾高原はちょうどその境界線にあたるのです。斑尾高原で見かけるとすれば、5月中旬頃から6月上旬頃。幸運にもその姿を見たらそっと写真におさめ、見守ってあげてください。

モリアオガエル
ギフチョウ

鳥類

斑尾高原では農耕地(里山)から低山帯に主に生息する鳥類約70種類が確認されています。ハチクマやノスリ(ともにタカ目・タカ科)などの希少な猛禽類やサンショウクイといった貴重な鳥たちの姿も見ることができます。
特に多くの野鳥に出逢えるのが沼の原湿原です。メジロやウグイス、イカル、モズ、クロツグミ、そして生息分布が限られており貴重な鳥であるノジコの個体数も多いようです。少し森林の中に入っていくと、キツツキ科のアオゲラ、アカゲラ、コゲラのドラミングが聞こえ、上空の方ではカッコウ科のカッコウやホトトギスが鳴きながら飛翔する姿を見ることができるでしょう。野鳥たちのさえずりはいつも私たちの耳に心地よく響き、心を癒してくれます。

キビタキ
アカゲラ