ブナの森を歩こう

森の生き物を育むブナ

飯山市、そして妙高市の市の木に指定されているブナは、まさに斑尾高原の母の木とも言える樹木です。かつて日本列島の多雪地帯には豊かなブナ林が広がっていましたが、戦後になると大規模に伐採されてしまいました。斑尾高原一帯でも開発とともにブナ林は減少しましたが、斑尾山の山頂付近や赤池・袴岳周辺には美しいブナ林が多く残されています。
「ブナの大木1本は、水田1反歩(約1,000㎡)の水を養う」と言われるように、ブナをはじめとする落葉広葉樹林は、針葉樹林の約5倍にも及ぶ水資源を涵養することができると言われています。このようにブナの森は、自然の巨大ダムとなり、治水や水源を涵養することで山の自然と森の動物や人々の生活を守っているのです。また、豊かなブナの森は、多くの山菜や木の実、キノコ等を産し、人間はもちろん、森の生き物たちも育んでくれています。

"アガリコ"ってなに?

1〜3メートルの高さまでは一本の太い幹で、その上から急に数本の幹に分かれた不思議な形をしたブナの木のことを言います。"アガリコ"は主に山形県の方言で「上に上がっていく木」という意味のようです。
昔、雪国の山里に暮らす人々が残雪の時期にブナ林に入り、薪や炭焼きに使うために木を切りました。残雪時の引き締まった雪の上は作業がしやすく、ソリを使って大量の木を切り出すことができたからです。切られた樹木は枝や幹から萌芽を出そうとし、切られた刺激により成長ホルモンが分泌され樹液を出し、新たな芽が多数発生します。傷口をカサブタが保護するように、コブ状の形状に膨らんだり奇形を発生したりするのです。形はいろいろありますが、伸びよう、生きようとするブナの声が聞こえてきそうなほど、生命力を感じることができます。アガリコは赤池ぶな林トレイルやふるさとの森などで見ることができます。